2017年3月29日水曜日

酒田市定期航路事業所「とびしま」乗船記・飛島散策

2017/3/20 月曜日

若葉旅館の朝食。青豆とハムの入った玉子焼きがおいしいです。▼

目指すは酒田港。若葉旅館を出発です。▼

旅館から徒歩5分程度でもう港です。▼

すぐに船の乗り場に到着しました。酒田駅からのアクセスばかり考えていて、昔からハードルが高いと思っていた飛島航路は実はこんなに簡単でした。港の近くに泊まればよいのでした。ホントいい旅館を見付けました。▼

返却式のコインロッカーに荷物を預けます。必要なものはすべてコートのポケットに収まったので、手ぶら状態で船に乗ります。▼

今年のお正月は瀬戸内海の「とびしま海道」で島巡りをして来ましたが、今日は「とびしま」で日本海にある離島「飛島」に行きます。気持ちは瀬戸内海から日本海にすっかり切り替わりました。▼

綺麗な船内です。

後方には座敷席もあります。

本船を建造した「瀬戸内クラフト」の場所をスマホの地図で調べたら尾道の向島にありました。その対岸はナント昨年11月に引退したオーシャン東九フェリー「おーしゃんのーす」の生まれ故郷の尾道造船ということが判明。これらの現場検証をしなければなりませんので、気持ちは再び瀬戸内海へ戻ってしまいました(笑)。

定刻の9:30に出港。冬季はデッキには上がれないので、出入り口の窓から外を眺めます。

後部デッキには郵便局のバイクががっちり固定されています。北海道の天売島は軽4輪。九州の馬渡島は人手による輸送。離島ごとに郵便物の輸送方法も異なることが判りました。

防波堤を過ぎていよいよ外洋にでます。テンションが上がる瞬間です。

鳥海山には雲が掛っています。船底にドッカンと波が当たり海は少し荒れ模様。船は前後・左右に揺れます。波の高さは昨年10月に粟島に行った時ほどではないのですが、船が217tと小さいため気持ち悪さは粟島のときの2倍くらい。防波堤を過ぎるまであったテンションは一気に下がってしまいました。▼

1時間15分の航海を経て飛島に到着です。「あ~早く陸に上がりたい」と港を恨めしく思う有様です。写真なんか撮っている場合ではありません。過去最悪の船酔いです。

でも上陸してしまえばこっちのもの。双胴のこの船改めて見るとなかなか立派です。またテンションが上がってきました。

とびしまマリンプラザ。立派な待合室があります。5月~10月のシーズン中は軽食ができる喫茶室が開設しているそうです。

最上階の展望室からの眺め。無料の望遠鏡もあります。

出港時間の13:30まで2時間半程度あります。この島は長辺が2kmくらいで、短辺は1kmもないのでかなりの範囲を散策できそうです。

シーズンオフなので旅館も食堂もやっていません。この通りは診療所、学校、郵便局と島の公共機関が並ぶメインストリートです。

島の東側から登ります。

島の最高地点の飛島灯台まで来ました。このしまの標高は68mとそれほど高くないので粟島(最高標高265.5m)に比べたら登り下りはきつくありません。ただ、灯台の周りは潅木に囲まれているので、展望台としての機能はありませんでした。

島内にはダムもあります。誰もおらずとても静かです。

島内はだいたいこんな感じです。土や枯葉などが表面を覆っていますが実はここは舗装されていて、このような道も多いのでとても歩きやすいです。散策している人は自分以外に3名ほど見かけました。途中その一人の年配のおじさんに「やっと人に会えた」と話掛けられました。▼

島の港とは反対側の海。海岸線の沿って島の周囲を歩こうかと思っていたら、そのような時間の余裕は無いことに気が付きました。

出港5分前に港に到着。船の運航は今のシーズンは1往復のみ。もう少しで島に取り残されそうになりました。途中で近道を教えて下さった島のおばさんに感謝です。


粟島のときも最終便の出港5分前。前日は「きちんと船に乗れるかなど」と心配している割に、島ではのんびりしすぎて「帰れなかったらそのときはそのとき」などと悠長に構えたりしています。心配性の割りに怖いもの知らずの性格。授業中とにかく「俺の故郷酒田!庄内平野!」を連呼する小学5年生のときの担任からも、そのことをよく言われていましたが、三つ子の魂ナントカとも言うのであと50年経ってもこれは直りませんね(笑)。


後部デッキには車が載っています。一応フェリーの役目も果たしているようです。

帰りは左右の揺れのみで波は随分と穏やかになっていました。これなら余裕です。

港にある「海鮮どんやとびしま」で海鮮丼を頂きます。お味噌汁には2つほど小さな帆立貝が入っていました。

酒田駅に戻ってきました。40年ほど前「抜けているようで、意外な所で実力以上の力を発揮する。」などと通信簿にコメントを書いて下さった先生の故郷ともお別れです。酒田がどんな所なのかも、自分がどういう人間なのかもよ~くわかりました(笑)。

ここからは快速きらきらうえつ。指定券510円だけを払えば普通運賃で特急形車両に乗って新潟まで行けます。停車駅は特急いなほと大して変わりません。2号車は丸ごと展望車です。

「暑き日を海に入れたり最上川」

笹川流れ付近。今日は雲が多く粟島は見えません。

もう直ぐ村上。交流から直流への電源切り替えのデッドセクションで非常灯を残して室内灯が消灯。▼

直流区間に変わり、再び室内灯が点灯しました。▼

新潟駅に到着。今回乗車券は関東甲信越・南東北が2日間乗り放題の週末パス8730円(特急券・指定券は別)を利用しました。あとはこれを利用して新幹線で帰ります。

これで、2日間の旅は終わりです。


2017年3月24日金曜日

仙台→酒田:雪の残る陸羽東線・奥羽山脈横断の旅

2017/3/19 日曜日

今日の最終目的地は酒田。道中はまだ決めていないのですが11:07仙台まで来ました。大宮を出たのは10:00。ここには新幹線でアッという間についてしまいます。▼

仙石線で石巻まで行こうか、仙山線で奥羽本線を北上するか迷った挙句、東北本線小牛田行きで出発です。

もうすぐ松島。仙石線と併走します。

仙石線に分岐する線路です。東北本線は一昨年から仙石東北ラインとしてここから仙石線に乗り入れるようになりました。

こちらは昨年末仙台駅で撮った仙石東北ラインのハイブリッドディーゼルHB-E210。電源の要らないこの車両は交流区間の東北本線と直流区間の仙石線を問題なく走れます。

雪を頂いた船形山が見えます。あの向こうは山形県です。

12:35小牛田に到着。

ここからは石巻線・気仙沼線で太平洋側、陸羽東線・陸羽西線で日本海側に進むことができます。

駅の周りには何もないですが、ここで約1時間ほど陸羽東線の出発を待ちます。

とりあえずここでお昼。仙台で買ったはらこめし「宮城海鮮海の輝き」を頂きます。

13:34鳴子温泉行きで出発です。

前方には栗駒山が見えます。奥羽山脈に向かって列車は走り続けます。

14:41鳴子温泉に到着。▼

基本ここは温泉街です。

辺りは硫黄の匂いが立ち込めています。▼

畑にはまだ雪が残っています。

秋は紅葉で色づくとのことです。もう少し早ければ綺麗な雪景色も見えたでしょう。

駅からだいたい半径1kmくらいの所を周って駅まで戻って来ました。列車が来るまで足湯につかります。

判りやすい料金表です。片道¥1000くらいのところならタクシーに乗っても良かったかもしれません。▼

16:15鳴子温泉を出発して新庄に向かいます。ここからは山の中。線路には雪が残っています。

雪を見ながら仙台駅で買った笹かまぼこを頂きます。

堺田は分水嶺だそうです。ここの雪たちにとっては運命の分かれ道です。▼

田畑だけには雪が残ります。

日本海に沈む太陽を目指してひた走ります。

17:19新城に到着。陸羽東線をコンプリートしました。

ここで18:30発の陸羽西線余目行きを待ちます。普通列車乗り継ぎの待ち時間は食事の時間にちょうど当てられます。

あたりはすっかり暗くなってしまいました。あと1時間ほど鉄旅は続きます。▼

左は陸羽西線余目行きキハ110気動車、右は奥羽本線秋田行き701系電車です。

19:15余目に到着。お疲れさまでした。さすが日本海側。列車から降りると少し寒いです。

酒田までは19:23発特急いなほ9号。ここからは羽越本線です。

19:31酒田に到着。ここに来るのは3度目ですが、駅の周辺しか知りません。

駅から徒歩20分ほどで今日の宿の若葉旅館に到着。ちょうど市役所の隣で港にも近いです。

きれいな旅館で従業員の方々の丁寧なこと。女将さんからいきなり身長を聞かれ、一番合うサイズの浴衣を頂きました。布団もフカフカ。部屋も暖かい状態です。

明日は離島への船旅。欠航しないかとか、きちんと船に乗れるかとか、遠足前の子供のように心配しながら床に就きます。お休みなさい。